コミュ症&43歳で高齢出産ママの日記*神山ひなた

「人付き合いが苦手なまま、ラクに自分らしく生きる」を人生のテーマに、日々実践中。

ゴミ屋敷を片付ける業者のYouTubeを観て、思ったこと

ゴミ屋敷を片付けてくれる業者さんのYouTubeチャンネルを、
最近よく観ています。

関西を拠点にしている業者さんなのですが、
現場(ゴミ屋敷)で作業している様子を動画に収め、
それを発信しているのです。
もちろん、依頼者であるお客様の許可をとった上での撮影です。
お客様のプライバシーは最大限に尊重し、
個人が特定されないように工夫された動画になっています。

業者さんが入る現場の数々。それはそれはもう凄惨です。

天井までうずたかく積まれた、無数のゴミ袋やダンボール。 

「ベッドもゴミに埋もれていて使えないので、
ゴミとゴミのすき間に、寝るスペースをなんとか確保してます。
ここ数年、フルフラットで寝たことがないです」
と話す、若い女性。

「父親が長年住んでいた家を、片付けてほしい」
という子どもからの依頼で訪れた現場は、玄関からすでにゴミだらけ。
ネズミや小動物が出入りしていると思われるにおいが立ち込めている。

 「一人暮らしの部屋がどんどん散らかっていき、虫もわきだして
怖くて実家に帰ってしまった。
それから2年、住んでいない部屋の家賃を払い続けてきた」
と話す女性。

動画に撮れないほどに汚れた台所や浴室、トイレ……

どんなにハードな現場でも、いつも笑顔で楽しそうに
テキパキと無駄のない動きで作業する男性スタッフさんたち。
見違えるように綺麗になった部屋に、胸をなでおろしながら
感謝の思いを伝えるお客様。

動画を観ていると、こちらまで清々しい気持ちになり
ついつい他の動画も観てしまいます(笑)

動画を観ていて思ったのは、
「誰でも、こういう状態になる可能性はある」
ということです。

ゴミ屋敷になってしまった事情は、人それぞれです。
昔から片付けが苦手な性格だった、という人もいますが
もともとは片付けや掃除が好きだったのに
仕事などのストレスで心を病み、片付けができなくなってしまった、
という人もいます。
今の時代はもしかしたら、後者のケースもかなり多いのではないでしょうか。

散らかしたくて散らかした人なんて、きっといないではずです。

私は今でこそ片付けは得意で、部屋もスッキリしていますが
20代半ばぐらいまでは「片付けられない女」でした。

小学生の頃、実家の居間の端っこが私の勉強スペースだったのですが
教科書や服が散乱し、床は足の踏み場がありませんでした。
勉強机も整理できず、ただの物置と化した状態。

当然ながら毎日のように、学校には忘れ物をしていました。
いつも散らかっていて、持っていくべきものを探すことが
できなかったからです。

あまりに私の忘れ物が多かったので、担任の女性の先生が
持ち物のチェックリストを作ってくれて、
「これを勉強机の前に貼って、毎日確認しなさい」
と言っていた記憶があります。

もともと私の実家は、モノが非常に多いです。
大人の女手がほとんどない状態だったので、片付ける人がおらず
どの部屋もいつもぐちゃぐちゃでした。
(当時の我が家の家族構成は、祖父、父、私、妹の4人。
伯母がたまに家に来て、片付けや食事の準備をしてくれていました)

特に私の父は、昔から片付けが本当に苦手です。
そんな父から、片付けのやり方を教えてもらえるわけがなかったので
私も必然的に「片付けられない子ども」になっていたのでした。

そのまま時が過ぎ、20代半ば頃まで、片付けの方法を知らずに生きていた私。

…しかし、なぜか気づいた頃には、片付けが得意になっていました。

29歳で青森の実家を離れ、千葉で一人暮らしを始めましたが
相変わらず部屋はいつもスッキリしていました。
いつ、誰が来ても大丈夫な状態です。
ある雑誌の取材を受けることになり、女性ライターさんが私の家にいらしたときも
「部屋がすごくキレイですね…無駄が全然ない」
と、ため息をもらしていたのを思い出します。

結婚して一児の母となった現在も、部屋のスッキリ感は不変です。
家族が増えた分、もちろんモノも増えてはいますが
夫の協力を得て、日頃からちょこちょこ片付けをしています。

出産後、産後ドゥーラさん(産後ママのお世話をしてくれる女性)や
母乳育児をサポートしてくれる訪問助産師さんに来ていただいた際も、
「部屋スッキリしてますねー」と、褒めていただきました。

また、我が家は転勤族なので、数年おきに引っ越しがあるのですが
引っ越しの見積もりで業者さんに来ていただいた際も
「荷物が少ないですね」と言っていただくことが多いです。

不思議なことに、なぜ自分が片付けられるようになったのかの記憶が
全くありません。
誰かに教えてもらったり、勉強したりしたわけではないのは確かです。

あぁ、そのへんの記憶があれば、もしかしたらそれを仕事にして
今頃有名になってたかもしれないのに。残念だわ。
こん◯りさんみたいになれていたかも?(笑)

冗談はさておき……

片付けを教えてもらえない家庭環境で育ち、
突然変異(?)で片付けられる体質になった私だからなのか、
片付けられない人の気持ちもすごくわかります。

特に、心が疲れたり、病んでしまったときは
本当に何もできなくなるので、片付けどころではなくなるでしょう。
「片付けなくちゃ」と頭では思っていても、手が動かない状態なのですから。

そういうときは、もう思い切って
プロの業者さんにお願いするのも一案だと、私は思います。
お金は結構かかってしまうかもしれませんが、数社の業者さんに見積もりを取って
リーズナブルかつ丁寧な対応をしてくれるところを探せばいいでしょう。

私の実家には現在、父がひとりで住んでいます。
たまに彼女さんや、彼女さんのお子さんたちが立ち寄っているみたいです。
(父は、私が物心つかない頃に離婚しており、ずっと独身です)

そんな実家は昔と変わらず、いや、私が実家にいた頃よりも
さらにさらに散らかっています……。
年に一度程度帰省していますが、とても泊まれる状態ではないので
市内のホテルに宿泊しています。

ありがたいことに、父は今も元気に過ごしています。
でも将来、父が家に住まなくなったときは
プロの業者さんに片付けをお願いすることになるかもしれません。

私は引き続き、夫と力を合わせて、スッキリした家を持続していこう。
改めて、そう誓いました。

我が娘には、のびのびとやりたいことをやっていってほしいのです。
親のことで、気苦労はさせたくないですから。