コミュ症&43歳で高齢出産ママの日記*神山ひなた

「人付き合いが苦手なまま、ラクに自分らしく生きる」を人生のテーマに、日々実践中。

子ども達を「死なせない」ことだけで、精一杯だった

先週、青森に住む伯母の誕生日でした。

伯母は、私の実父の姉であり、
産みの母と生き別れた私の「育ての母」でもあります。
幼少期、一緒に住んでいた時期が数年間あります。
その後も同じ市内に住んでいたので、頻繁に我が家に来て
私たちの食事を作ってくれたり、面倒を見てくれていました。

伯母とは本当に、ほんっとうに色々ありました。
一言では言い表せません。
連絡をとっていなかった時期も、10年間ほどあります。
私たち夫婦の結婚式に呼ぶこともできませんでした。

でも4年ほど前、私から思い切って連絡を取り、
青森に会いに行ってからは
良好な関係を築くことができています。

誕生日当日の朝、伯母に電話して
「おめでとう」と伝えました。

そして私の娘を電話口に呼び、こう言いました。
「ママね、今、ばぁばとお話してるの。
電話の向こうに、ばぁばがいるよ。
『ばぁば』って呼んでごらん」

娘は、私の思惑どおり(笑)
「ばぁばー」と呼んでくれました。

すると伯母は、
「はぁーい、◯◯(娘)ちゃーん♡」
と、いつもより3つぐらい高いキーで返事していました(笑)

伯母からみた私は、娘ではなく、姪です。
なので、伯母からみた私の娘の続柄は、孫ではなく
「姪孫」(てっそん)になります。
それでも伯母は、私の娘をまるで孫のように可愛がってくれます。

電話中も、キャーキャードタバタと騒いだり、ぐずったりして
感情を思い切り表現している娘。

「毎日こんな感じだよ。泣いて笑って、暴れまくって。
部屋も、片付けてもすぐグチャグチャだし。
2歳だから、多分こんなもんだよねぇ」
私がそう言うと、伯母は耳を疑うようなことを言いました。

「そういう風に、伸び伸びと子育てした方がいいよ。
子どもの感情を抑えつけちゃダメだから。
私は、あんた達の感情を抑えつけて育ててしまった。
でもあのときはとにかく、『子ども達を死なせない』ことだけで
精一杯だった」

「あんた達の感情を抑えつけて育ててしまった」
そういう言葉が伯母の口から出てきたことに、私は内心驚きました。

正直言って、それは私も自覚がありました。
自分の自己肯定感がとても低かったのは、育った環境が影響していると
確信していたからです。

でも、自分も母親になった今、
伯母の言っていることはとても理解できます。

伯母は、私と妹、そして伯母の実の娘(私からみたら従姉妹)の3人を
今でいう「ワンオペ育児」していた時期が、数年間あります。

私と妹は年子、そして従姉妹は私と同い年なので
ほぼ三つ子状態と言ってもいいぐらいです。
3人の面倒を伯母が一人で見ないといけない状態は、
想像を絶する大変さだったはずです。

と言うか、私は当時の記憶が残っているのですが
伯母は、はっきり言って「発狂」していました。
いつも怒鳴っていたし、手も上げられました。

でも、それもある意味仕方のなかったことです。

私たち3人は、わざと家の階段から落ちて遊んだり
冷蔵庫に入ろうとしたり、近所の家にある池に落ちたりと
さまざまなイタズラを毎日毎日していたそうです。
その度に肝を冷やし、対応に追われていた若き伯母を想像すると
いたたまれない気持ちになります。
そりゃ、ストレスたまりすぎておかしくなるよね…と。

本当はきっと伯母も、
子どもを怒りたくない、のびのび育ってほしい、と
思っていたはず。

でも、あまりに大変すぎて出来なかった。
とにかく、子どもたちの命を守ることだけで精一杯だった。
伯母がいつも鬼の形相で私を叩いたのは、そういう理由だったんだ。
今ならしっくり来ます。

そして、「私たちを無事に育ててくれて、ありがとう」と
心から思えます。

「私の自己肯定感が低いのは、
育った家庭環境のせいだ!親たちのせいだ!」
昔は、本気でそう思っていました。

でも、今の私は自己肯定感がけっこう高いと思います。
ドライな自分の性格、わりと好きだし(笑)
それにもう、周りのせいにしている年齢じゃないですしね。

今年、72歳になった伯母。
相変わらず、近所の人や、私の父の悪口ばっかり言っていますが
(伯母と父は昔から不仲で、現在は絶縁状態です)
そういう性格の人だから仕方ない、と割り切っています。

以前の私は、そんな伯母の愚痴を受け止めるサンドバッグになって
とても苦しい思いをしてきました。

でももう今は、サンドバッグになるつもりはありません。

ありのままの伯母は受け止めるけれど、
伯母の話を全て受け入れて苦しむことは、もうしません。
私には、私の大切な家族がいるし、やりたいこともたくさんあるから。

これからも程よい距離で、私だからこそできる付き合いをしていきます。