コミュ症&43歳で高齢出産ママの日記*神山ひなた

「人付き合いが苦手なまま、ラクに自分らしく生きる」を人生のテーマに、日々実践中。

あの職場で働けたことは、私の宝物

10年前の12月初め、私は
当時勤めていた都内の銀行を結婚退職しました。
夫の当時の赴任先だった、北海道へ行くためです。

たくさんの方たちがフロアに集まってくれた中で、
退職のご挨拶をしました。
直属の上司が、少し涙ぐんだような表情で
私の挨拶を聴いてくださっていたのを思い出します。

しがない契約社員の私のために、
あんな時間を設けてくださったのが
とてもありがたかったです。

お客さまにも、本当に恵まれました。

仕事に慣れていなかった頃、私は書類の不備でミスを連発して
あるお客さまに何度もご来店していただいたことがありました。
50代の男性のお客さまでしたが、一度も声を荒げることなく
私のミスにお付き合いくださいました。

また、別な男性のお客さまは、
毎月私を指名して来店されていました。
私の何が気に入ったのか、よくわかりませんが(笑)
毎月カウンター越しに、楽しくお話させていただきました。

そのお客さまに、結婚退職のご挨拶をしたところ
少し拗ねたような表情で
「なんとなく、近々辞めるんだろうな、って思ってたよ。
結婚指輪してたもん」
って、おっしゃっていたっけな(笑)

「もう絶対、お金を触る仕事はしたくない」
そう思って上京したのに、ご縁があった仕事は金融機関。

働き始めた当初は、いろいろありすぎて
幻聴に悩まされるほどにメンタルがやられましたが(笑)
辞めずに乗り越えられて、本当に良かったです。
人生の宿題を、ひとつクリアできました。

(勘違いしないでいただきたいのですが、
「何があっても、仕事は辞めてはいけない」
と言うつもりは毛頭ありません。
人それぞれ、踏ん張ったほうがいい時期と
早々にその場から逃げたほうがいい時期があります。
私の場合、銀行の仕事は前者だった、ということです。)

あの職場で働けた約5年半は、私の宝物です。